今年度は過去2回の前年度、前々年度と比べ、約4倍強の参加者に対してのワークショップとなりました。
当初、懸念していた。プログラムについての質と量の差を前年度と比べ軽くなるのではないかということがありましたが、講師、アシスタントの増員をし、入念にミーティングした結果。前年度と同じプログラムをこなすことができました。これは、国民生活センターの職員の方々、受講者の方々の協力のおかげだと思います。あらためて、ここに感謝の意を述べたいと思います。
ワークショップ全体についてのこととして、今年はロビーを使っての講習もあり、受講者の方々には集中力を保ちにくい環境であったと思いましたが、非常にがんばって取り組んでくれたことが印象的でした。講堂についても、前年と同じ場所でしたが、人数的には倍近い人数で、隣との干渉がある中での創作となってしまいましたが、とても質の高い創作を行えたことをとても嬉しく思います。
このワークショップでは、抽象的な思考を使い、プロセスごとに協力し、問題解決を計るということ体感的理解と、創作時のコミュニケーションをフィードバックすることで、コミュニケーション時の他者の着眼点、注意点などを体感的に理解するということ、また、講師の進行時の動きや進め方を学ぶといくつかの要素を盛り込んだ内容となっています。
今回の参加者の作品は、講堂側はどちらかというと、シーンを分かりやすい台詞を多用したものになったのに対し、ロビー側は言葉を最小限にとどめ、アクションや異化を用いるものが多かったように思います。
これは、受講環境の違いが大きく影響していると考えています。
講堂は、閉鎖的な空間で創作への集中力を保ちやすい分、台詞などの情報量が多いものを使う傾向があり。
ロビーなどの外が見える空間では、空間に対しての自由度が広がる分、台詞を使わずともアクションで表現するという傾向がありました。
環境の違いにより、創作の質が変わること、また、外が見える開放的な空間で集中力を保つことは難しいということが非常によくわかりました。
今後のワークショップにも生かしていければと思います。
最後の質問コーナーで演技に対しての質問や、実演が見たいという意見が多かったのが、非常に残念でした。
演劇ワークショップでは、その課程で得ることが多く、発表という結果はあくまで結果に過ぎないという点をあまり理解できなかったのではないかという危惧があります。
プロセスにおける問題解決は、日々の仕事の中で重要な要素を占めていると思いますが、この点を解消することや、実際の消費者教育における実践方法について、進行の仕方やプログラムの組み方についてなどの実のある質問が少なかったのが残念です。
創作された作品群の素晴らしさはとても素晴らしい作品だったと思います。
ワークショップが終わってから少し期間が空いて、時期的にフィードバックとなる部分が浮き上がりやすい状態であると思います。
もし、他の質問や聞き損ねたことがある場合は、いつでもご連絡をお待ちしております。
今後の受講者のみなさんの活躍にご期待いたします。