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文化庁 「言葉」に関する参加体験型事業 「川柳ワークショップ」 舞鶴 2日目 記録

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2日目 2010年 3月7日

場所 舞鶴市 林業センター

講師 長谷基弘
コーディネータ 伊藤馨
アシスタント 北村耕治
川口大介

参加者 11名(午後から1名追加で12名)

10:00
開始
ガイダンス

10:05
ウォーミングアップ 円陣で立ったまま
手足をブラブラする。
右左ジャンプ
ランダムウォーク
すれ違いざまに目を合わせる
すれ違いざまに挨拶をする

10:15
ランダムウォーク2
シチュエーションを歩く
風の強い日に風に向かって歩く
すごい寒い日
ぽかぽかして暖かい日に花が咲いているところを歩く
水中を歩く
炎の中を歩く
ゼリーの中を歩く
巨大な氷の中を歩く

10:20
丸くなって椅子に座る
浅めに座り、鼻から吸って、口から出す
吐く息に「スー」という音を乗せる。
お腹と背中に手をあてて、息が入ってくるのを確認する。
自分が出せる一番小さい無声音を出す。「んー」

10:25
川柳を読む
前日に別の川柳の創作ワークショップで作られたものを短冊で一人一枚ずつ配布する。
配布したものは、比較的読みやすいものをこちらで選んだ。

初見読み
順番に一人ずつ初見読みをする。(裏返しておいてめくって読む)

身体化エクササイズ
立って、一番小さい声で読む
手をぶらぶらさせながら読む
体を振り回しながら読む
歩きながら読む
顔より上に短冊を持って読む
何かを指さして読む
非常口
鈴木さん
窓の外のまるさ(窓の外に見える佐藤商店の看板)
天井
いろんな人に言う
いろんな物に言う
書かれている情景を作って読む
読む度に違う場所に変えて読む
人に挨拶して読む

10:40
二度目の読み
円陣になって一人ずつ読む
反対側の人に聞こえるように読むこと

フィードバック
変化したところを話しあう
読み方が変わった。人が感じられるようになった。読み方が明るくなった。など。

10:50
グループ分け
こうじ(北村耕治以下こうじ)グループとぐちゃ(川口大介以下ぐちゃ)グループにわけた
(身体化のエクササイズ中に振り分け、名前はワークショップネーム)
こうじ むらた ただ こんの きむら たきむら
ぐちゃ いかだ いちせ たけだ きたかた ますいけ みなみ

各チームに一つずつ川柳を配る。
こうじ 引き出しの奥で手招きする悪魔
ぐちゃ 引き出しの中から声がもれてくる

10:55
川柳をシーンにする
30秒から1分程度

11:05
発表

11:10
講評
詩的な終わり方がいい。読み方もうまくなっている。声の音量のバランスを考えてみよう。体に対して素直に読むのがいい。など。

11:20
川柳を追加してシーンを作る
こうじ 引き出しの奥で手招きする悪魔 + 桜咲く空の引き出し涙する
ぐちゃ 引き出しの中から声がもれてくる + 引き出しの初恋揺らり五年生

11:35
発表&講評
間がいい。
作ったものが手を離れて、世界が広がっている。
人の体によって、表現されるというのが初めて。
余白、余韻があるともっといい。
(川柳ワークショップ参加者数名と講師のやすみさんが見学に来てくれました。)

12:00
休憩 1時間

13:00
午後の部 開始
ガイダンス
ウォーミングアップ

13:10
創作 1
(午前中の子供向けの川柳ワークショップで作られたものから抜粋で行った)
こうじチーム はなしてて おおわらいして せきがでた
ぐちゃチーム さいている たねがいっぱい わらってる

13:20
発表&講評 1
はじめとおわりがよい。
コンテンポラリーダンスのよう。
抽象化が上手にされている。
作ったシーンの前後が感じられるようにできるとなおいい。

13:40
創作 2
さらに川柳を追加してシーンの創作を行う
こうじチーム
はなしてて おおわらいして せきがでた + よるのほし わたしがすきな ほほえみだ
ぐちゃチーム
さいている たねがいっぱい わらってる + ごりらはね わらっていても 気づかれず

13:50
発表&講評 2
よみ間違いはきにしなくていい。
見た目を整えたほうがいい。
関係が見えるようにすればなおいい。

14:00
休憩 10分

14:10
創作 3
さきほどの講評を元にブラッシュアップする

14:25
発表 & 講評 3

14:45
本番のためのガイダンス
本番は一人一句ずつ身体化して読むことを説明
川柳を配布

14:50
初見読み

身体化の作業
(好きな身体化の方法を使う。特に指示はしない。)

14:55
二度目読み

15:00
リハーサル
本番どおりに流してやる。
ぐちゃチームが先行。
一列に並んで読み、その後スタンバイして、身体表現にしたものを発表
こうじチームと入れ替わる。
一列に並んで読み、その後スタンバイして、身体表現にしたものを発表
15:10
解散

15:30
発表会
開会の挨拶
国語調査官 鈴木さんの言葉

15:40
開始

15:50
ポストパフォーマンストーク
やすみりえ、鈴木仁也、長谷基弘

抜粋
いいものが見られた。
期待どおり、伝わってくるものが出来上がった。
子供でやったらどうなるか楽しみ。
川柳と場面創作の相性がいい。
舞鶴では一つのお題でバリエーションが豊かなものが出来上がってきてる。
十七音しかないのではなく、十七音もあるんだな。
想像力で膨らましやすい。
読み方をどうこうではなく、ひたすら読むだけ。
俳優は舞台上に居ることが大事。
子供が作ったものを大人が一生懸命やることが大事。

16;10
終了

16:15
フィードバック
楽しかった。
はじめてのことだった。
普通の読み方の講座なのかと思っていた。
作品創作のときにいろいろ助けられた。
言葉との出会いを大事にすることで何かが見えてくる。
朗読、読み聞かせとは違うようで似ていることが多い。
あくまで人間を読んでいるので、人間が主役。
読み手を見せるために読む。
他、多数。

16:45
クールダウン
輪を小さくして、右の人の肩をさする、たたく。
逆を向いて、左の人の肩をさする、たたく。
深呼吸。

16:50
終了

所見 伊藤馨 コーディネーター
今回のワークショップは全国でも初の試みとしておこなわれたのだが、それに違わぬよい作品が出来上がったように思う。参加者のすばらしいパフォーマンスと、川柳のワークショップでよい句が上がってきたことが作品創作にとって重要だったように思う。
また、川柳という一つの創作をスターターとして、演劇的な身体表現の創作をすることで、人間そのものの中にある面白みや、おかしみがにじみ出てきてくる。
これは、演劇も川柳もどちらも「人間」そのものがテーマとして存在するためだろう。
今回は試金石としての部分で完全に分かれた状態での創作を行ったが、今後はこの川柳と身体表現までを一つの道筋で結んだものを作ることを視野に入れていきたいと思う。
紙に書かれた言葉を身体を通して読むということが、川柳を立体化させ、そこに読む人の人生が融合した形で表現される。何層にも重なった表現が作れるのは、川柳や演劇が持つ、想像させるという部分の余白の部分もまた似通っているということもある。
今後、川柳とのコラボレーションしたワークショップをより深めていきたいと思わせてくれる、可能性を大きく見せてくれるワークショップになったと思う。

所見 北村耕治 アシスタント
二日目。あいさつや口調から、昨日を経て講師陣に対する信頼が厚くなっているのを感じました。川柳を用いた集団創作は、遊び方を知ってからはそれぞれの意見が多すぎて、講師側が置いていかれるほどでした。飛び入り参加があったり川柳作家のやすみりえさんからコメントを頂けるなど、参加者にはよい刺激が続き、発表会では、短い創作期間だったにも関わらず講師側の予想を超える成果を残しました。
参加者達の体力に不安があったため、丁寧な進行を心がけた2日間。繰り返しの作業が増えましたが、かえって一つ一つの要素により理解を深め、参加者の心に川柳や演劇に対して新鮮な興味が生まれたようでした。

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