空が低い。
曇天の空にカラスが舞う。
ゴッサムシティの空は暗い。
この街には蝙のコスプレした、大富豪は居ない。
居る必要がないからなのか、なぜかは知らないが…
そんなことを考えながらランチを食べる。
今年の後半はあまり東京に居ないことが今朝わかった。今年からしばらく旅暮しになりそうだ。
独身だし、動物も飼っていないので気兼ねなく出かけられる。
よくスナフキンみたいだと言われるが、まぁあながち嘘ではない。
ムーミン谷に居ないときの彼のことを考えてみる。もしかしたら、彼はムーミン谷に帰ってきてるのかな。と思った。
異邦人のふりをしているが、彼のアイデンティティーはムーミン谷にあるのではないだろうか。だとすれば、遊牧民というわけでもボヘミアンでもないのかもしれない。
知らない土地に行くことで自分の位置や有り様を感じることで、バランスをとる自分とはちと違うのかもな。
でも、知りたいから谷から出ていき帰ってくる彼のことはなんとなくわかる。
知的好奇心というなんの飯の種にもならないことを自分の第一としてしまうのは、どうしたものだろう。
「知りたくないか?俺は知りたい。」
そうして僕は旅に出る。
時に仲間と。
時に一人で。