明日からマクベス小屋入り。
図面描いて、明日の夕方には明かりを作り始めている。
クールな明かりを作れるといいなぁ。まだ僕のなかにしかないけど。
そんなことを思いつつ。
ふと、今回の公演用にちょっとしたインタビューを受けたことを思い出す。
なんでかここのところ、どうしてこの世界に入ったのかと言う話をよく聞かれる。インタビューではそのこととは関係ないのだけど…(気になる人は小屋にて)
この仕事を始めたのは自棄で始めた。
自分が好きで食うとか金とか関係ないことをしようと思ったからだ。
その少し前に家族を巻き込んでちょっとした騒動を起こしたので厭世的になってたからとも言える。
とにかく自分の位置を置き直したかったのだろう。
てなわけでここにいる。
大したことではないのだ。
ただいろいろあって婚約していた相手と別れた。
それだけのことなのだけど。
その彼女に関わる話をすることが最近多い。
そこには幸せだった時間があったり、未来について浅はかな夢を見ていた。今しようとしてることとはまったく違うものだ。
ときにそっちに行ってたら、今ごろ何してるのだろうと思う。
一緒に居ることのできなかったあの人は今頃何をしているのだろう。幸せで居ることを願う。子供が好きだったあの人は自分の子供を育てて居るだろうか。
別れてから一度だけ、時間が経ってから会った。僕はもうこの仕事を始めていた。ぎこちない再会をし、食事をした。
あの人は別れてからいい男になったと言ってくれた。自由の匂いがすると言ってくれた。そっちの方が「らしいね」と。
僕はその時、次に会うときも同じ時間を生きたことを少しでも誇れる男になっていようと思った。
きっともう会う機会はないだろうけど。
そんなわけでここにいる僕は、その時から少しでもいい男に成れてるのか少し不安だ。