劇団桃唄309公演 「風が吹いた、帰ろう」 無事に終幕しました!

先週末を持って、無事に千秋楽を迎え、多くのお客様にお運び頂けて本当にありがとうございました。

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いつもは写真だけ載せて、適当なことを書いているブログでしたが、お付き合いいただけた方がいらしたとしたら、本当にうれしい限りでした。
やっている間は夢中でした。劇場に入ってからは、照明もやんなくちゃ(おいおい本業じゃねえか。)ということで、とんとブログも更新しなくなっていましたが、公演が終わり、荒れに荒れた部屋の後片付けも終わりが見えてきたところで、お礼のブログを書いています。

われらがN.S.F.もいろいろいいポジションを頂けたこともあり、めいっぱい暴れてまいりました。
特に、つねさんが。というわけで、N.S.F.シーンの様子。

DSCF7352 座長に詰め寄るみんな。
DSCF7354 つねさん大活躍。
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あやさん、現る。まことがびびってる。いや、そういうシーンなの。

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当然、歌うわ、踊るわ。

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三方礼もしちゃいました。
N.S.F.のメンバーで座・高円寺の舞台を目いっぱい使わせてもらうなんて、本当に楽しかった。
しかも、いつもは演出だから照明なんかないし、なくて大丈夫な場面づくりをしてきたけど、今回はそれに明かりが作れるなんて、本当に楽しかったなぁ。
会場のみなさんも音頭に乗っかって手拍子もしてくれて、いやよかった。

というわけで、こっから先は他のシーンの写真たち。

とにかく、今回は一回出たら出っ放し。
桃唄ではよくある光景ではあるけど、本当に回りでみんなで観てる。

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出演者が、他の出演者を観たり、応援したり、そういう姿がこの芝居の外郭をかたちづくっていて、それは「ふへんのあい」だった。

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久々に全力で公演を駆け抜けるっていうことをした気がします。
いつもは照明さんという枠の中で活動をしていて、それが普通のことだし、スペシャリストとして公演に関わるということをしてきたけれど、今回のこの作品ははじめのはじめのところから、関わっていて、題材になる大島にも何度も足を運んだ。

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公演についてのことを繰り返し、演出家の長谷ともいっぱい話をして、愛とは何か、人とは何かという演劇から切り離せない根源的なテーマに向き合う作業をし続けたと思う。
そうして作られた舞台は、今までの演劇との関わりの集大成と言えるものになった。

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間違いなく生涯に残る代表作品であるし、この作品に深く関われたことを誇りに思う。
何より、その場に連れて行ってくれた長谷に感謝したい。

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そして、出演者全員とスタッフにも心の底からの尊敬と感謝を。
時に熱が入るあまり、必要以上の言葉や行動に出ることがままあった僕を暖かい目で許してくれたことや、僕のおせっかいを甘んじて受け入れてくれたことを本当に感謝している。

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大島に行ったそのあとに誰かの言葉で「なんでもいいから、人の役に立ちたい。」という言葉を聞いた。
その時にはなんのことだか、まったくわかっていなかった。

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この作品のパイロットが出来たときに、もう一度この言葉を味わいなおしたときに、人の役に立つということに意味が何百倍もの大きさになっていた。
人が人であるためには、誰かにその存在を認めてもらうことが必要で、僕はそのことのために演劇を今まで続けてきたし、今後も続けていくのだと思う。

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人のために何かをすることには、それが人のためになるかどうかもあるけれど、人に認めてもらっていないとできない。
人間が人間であるために、誰か寄り添うとき、認めて認められて、相手の役に立つということは不可欠な要素になる。

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大島でのことが今回の直接的なテーマではあるけれども、これは人の営みにある矛盾や怖さや、その存在の不確かさや、虐げられたもの、虐げてしまったもの、そういう人の中の暗い部分と明るい部分が最も強く描かれた作品だと思ってる。
観終わった人たちが少しでも周りの人たちや、遠く手の届かない人たちに対しての眼差しを優しくして、愛を持ってもらえたら何より幸せなことであると思う。

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この作品に出合えたこと、そして公演をやり遂げたことはが本当に自分が今まで演劇を続けてきたということの根幹に繋がるものであり、今後も続けていくことの原動力になっていくと思う。
また、二足の草鞋でやっているterraceでの活動もこの作品と同じエネルギーで動いているのだと信じている。

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人は人のために生きることを運命づけられていて、その中での出会いや様々なことが、その人自身を形作っている。
そうしたことを積み上げて作品にしていくことが、今後もやっていかなくてはならないことであろうし、関わり方は大きく違うにしても演劇で作品を見せるということは、人を見せるということだと改めて感じた。
俳優に明かりを当てることで、そこにある何かを浮かび上がらせること、単に明るくするってことではなく。

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今回、照明デザイナーとして、本当にうれしかったことが一つある。
それは大島を知っている人たちから大島の明かりだ。って言われたこと。
もちろん、それを目指して作っていたけれど、太陽光には舞台照明は勝てない。
それをイメージさせることはとても難しいと思う。
チャレンジをしてみたけれど、他の人にどう見えるのだろうか。という不安がなかったわけではない。
口々にそう言ってもらえたことは本当にうれしかった。
また、もう一つのうれしかったことは、行ったことない人が行ってみたくなった。ということ。
意外と明かりで見せたものは伝わるものだなぁ。

本当に、よい作品に、俳優に出会えたことに感謝。

そして、ご来場頂けたお客様。ご来場頂けなかったけど応援してくれた方々。
いろいろ目いっぱいの我儘を聞いてくれた座・高円寺のスタッフの方々。
あぁ。もう、本当に世界中の人たちに感謝と愛を捧げます。
ありがとうございました。

 

最後なので、公演記録と写真をもう少し。

劇団桃唄309 『風が吹いた、帰ろう』
2016年5月25日(水)~29日(日)座・高円寺1

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港から、船で二十分のところに、美しい小島がある。
無知や誤解の元に「業病」「天刑病」などと呼ばれていた病。
ハンセン病。その療養所の島。
かつては、わたしやあなたと変わらない人たちでひしめきあっていた。
今は、ただ静かな島。まばゆい白砂。青々とした松。
手を伸ばせば届きそうな空。
想像してみよう。家族と引き離され、社会からほぼ隔絶され、
わたしやあなたは、何を感じながらここにいたのだろうか。
世の中は、つまりわたしたちは、なにを間違えたのだろうか。
繰り返す波が、浜に砂を運び寄せ、時に砂を削る。
織りなす思い、その海に漕ぎ出そう。
たとえ小舟しかなくても。

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●公演情報
http://bit.ly/201605kfk

●タイムテーブル
5/25(水) 19:00
5/26(木) 19:00
5/27(金) 14:00 / 19:00◎
5/28(土) 14:00★
5/29(日) 14:00

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●出演者
佐藤達
國津篤志
山西真帆
富山聡子
高木充子
楠木朝子

五十嵐ミナ(office HATTA)
竹田まどか
石坂 純(劇団ひまわり)
成本千枝
元尾裕介(カムカムミニキーナ)
山口智恵(大判社)
中嶌聡(劇団クレイジーパワーロマンチスト)
小林あや
近藤ミキヲ
綾田將一
さいとうまこと
関根信一(劇団フライングステージ)

ゲスト出演: 西山水木(プリエール)

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●会場
座・高円寺1
JR中央線 高円寺駅 徒歩5分/TEL 03-3223-7500
〒166-0002 杉並区高円寺北2-1-2
※駐車場はございませんので、お越しの際には公共交通機関をご利用ください。
※土日の中央線快速は高円寺駅に停車しませんのでご注意ください。

地図↓
http://www.momouta.org/m/products/p201605kfk/map

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●企画・制作
ウィンドミルオフィス/劇団桃唄309
〒166-0003 杉並区高円寺南1-18-14 矢島ビル3F
http://www.momouta.org/

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