今日は実弟の誕生日





おめでとう。

なのだが、兄は福岡から新宿の劇場へと向かうのだ。すまない。

さて、時間を少し巻き戻して福岡。
天神のあたりをうろうろし、助六うどん(かけうどんにごぼうのフライを入れて食べるもの)を食べ、デザートを買い、岩田屋のスタバの前でいただく。
なんか、絵が見たいぞ。そう思い、日本で唯一らしいアジアンアートの美術館に行く。
行ってみたら激混んでいた。自分で言うのもなんだけど、相当スノッブなものを見に行くつもりで来たのでびっくりする。
よく見たら大三國志展…
いや、アジアだけれども三國志も好きだけれども、今は絵が見たい。
あまりの人ごみでお目当ての常設展示が見つからない。

よく見るとちっさいカウンターが列もなく、大三國志展のシヨップに追いやられたようにあった。

カウンターのおばちゃんに声をかけるとうれしそうにありがとうございます。と言われた。
中を覗くとどうやら自分はマイノリティなのだわ。
そして、おばちゃんはこの美術館の本義であるアジアンアートを見に来たお客が居ることが嬉しかったのかしら?そう思った。

真っ赤なコートと真っ赤なカバンをカウンターに預けて、ベトナム、ミャンマー、タイ、インドネシア、中国、インド、マレーシアなどの近現代アートを見る。
どちらかという本業である照明家の目でアートの展示の仕方から見るのだが、この美術館は久しぶりにあまり文句のない明かりに作品が照らされていた。作品に対しての愛情の感じられるあて方というのがあった。
正直、日本の美術館の照明はひどい。展示の仕方からして見られたものではない。
世界を巡る同じ巡回展を日本とそれ以外の国で見て、見比べたことが幾度かある。どの巡回展も日本の展示が最もチープな展示の仕方だ。照明に関しては言うまでもない。

肝心の作品はとてもおもしろかった。西洋から取り入れたものと伝統的な技法が各々の哲学と近代ナショナリズムの萌芽による愛国心が絵画の中でうまく混ざり合っていないものから、独自性に発展していく課程が丁寧に並べられていて、アートは時代と共にあるものなのだと言うことが実感できる。
芸術は根源的な人の有り様に近いものなのだ。

小一時間美術館を楽しみ空港に向かう。

他のメンバーも美術館やら高校演劇やらと観たいものを観てきたようだ。

羽田空港で流れ解散する。
新宿サザンシアターに夢現舎の蟻のご馳走を見に行く。
やっと時間が戻った。

エディンバラ演劇祭に出展した作品の凱旋公演だ。
現地で上演したものと同じ状態で上演していた。
清く正しくアングラでおもしろかった。

劇場を出ると新宿はクリスマスだ。