Exchange

いい出来だって誉められる。

今年はなんかやたらと誉められるみたい。

誇らしいと思う反面、まだ先がある。

そこにはまだついてないという実感がある。

悔しい。

完璧主義の自分がむくむくとおきてくる。

出来るはずだ。

時間をもっと、空間をもっと操作できる。

もっと引きずりまわして、かき回して、より大きな化学変化を起こせる。

なのに、まだそこにたどり着いてない。

出演者もスタッフもまだ行ける。

この先があるって思って公演をしている。

この日、この公演はまだプロセスの最中だと胸を張って言える。

この状態ですでにパッケージになってる。

何かが途中であっても、その時点で最高のものは提供できてる。

でも、まだ先がある。

他のやつらに出来ないことをやる人たちがあつまってる。

そう実感できるカンパニーはなかなかない。

その先にたどり着くために。

東京公演の楽日の前だけど、僕はこの話は中と外へ同時に進んでいく話だと思ってやってる。

より深い内部への旅と、果てしなく遠く虚空を目指す旅を同時に永遠に行う話だと思う。

受け取った人がどう受け取ろうといい。

難しいことは考えなくてもいい。

そこにあるものだけでいい。たいしたことは言ってない。

常に、そこにあり、そこにないものを表現したいだけだ。

うつろいゆく自分であったり、関係であったり。

僕は虚空を目指してる。

色即ち是空。

そこには何もないけど、全てがある。

そこが舞台だ。

そして、僕は無頼だ。

それでいい。

旅人たるために生きてる。