main concept
自然な明かりから、ドラマティックな明かりに徐々になっていく
明るさ、方向性がはっきりと分かりやすい明かりの構成
chapter 1
夜から朝のギリギリの時間をオープニングの時間とする。
朝日は上手側から上ってくるイメージ。全体の明かりも基本的には上手前からの明かりのみで構成する。
唄にあわせて、徐々に朝日が昇り、芝居が始まっていく。
それ以降は、シーンの移り変わりに合わせて、徐々に昼に近い明かりになっていく。
正午になった後、lekiの台詞の中で、ゆっくりと暗くなっていく。
これはリアリティとしての明かりではなく、予兆であり、フォアシャドーとして。
最終的に、俳優たちの顔は下手からの暗い明かりでフォローされ、他はとても暗い。
tomaの最後の台詞から、ゆっくりと暗くなっていく。
最終的に、tomaの家、つるされた家、お金のみの明かりで、martheの背中が影のように見送っている様を見せる。
chapter 2
martheが一回家に入り、パンを取ってきて、舞台に姿を現したときからゆっくりと明るくなっていく。太陽が西に沈んでいく時間をイメージ。明かりは下手側の前からの明かりで、全体に斜めラインが見えるように見せる。
このchapter2はシーンごとに明かりは変更しない。
ただし、chapter1と違い、黄色が入ることで、少しだけ生々しい肌色を見せる。
lekiの演技が始まり、2回目の叫びでからゆっくりと暗くなっていく。
luiの最後の「・・・今日一日。」のポジションには明かりを残しておく。
薄暗いなか、lekiがはけていくことで、また舞台は闇に落ちていく。
chapter3
薄暗い中、martheが家の明かりの中を歩いてくる。
その家の明かりから外れると徐々に舞台全体を明るくする。
lekiのシーンはこの芝居で、最もドラマティックで美しいシーンにする。
羽の衣装が美しく見えること。月光の白さをより強調する。
lekiが居なくなり、luiが戻ってくることで、また舞台は暗くなる。ここから徐々に月が雲に隠されるように、空間の明るさはどんどん暗くなり、狭くなる。
そして、luiが居なくなることでさらに暗くなる。
luiの亡骸が運び込まれることで、luiを中心とした明かりにする。
ただし、tomaがしゃべる場所だけは、薄く暗く明かりを入れる。
この空間に4人の人間の存在は感じさせなくてはいけない。
martheがluiの亡骸にスカーフをかけるまでに、ゆっくりとさらに暗くなっていく。
お金のみが明るく、その明かりの漏れで他が見えるという状態にする。
martheとtomaの手が、お互いに伸びていく過程の中、暗転。
明かりには、幕ごとにテーマがある。
1幕は光。2幕は孤独。3幕は受容。
カラーテーマはベルナール・ビュッフェの絵からインスパイアして、決定している。